
紅茶は好きだけれど、「カフェインを少し減らして飲みたい」と思ったことはありませんか?
「夜でも紅茶を楽しみたい」「カフェインを控えたい」「妊娠中・授乳中なので少しでもカフェインを減らしたい」と考える方も多いでしょう。
そんなときによく紹介されるのが、一杯目を捨てて二杯目を飲む「簡易デカフェ法」です。
「本当にカフェインは減るの?」
「味や香りは変わらないの?」
「普通にデカフェ紅茶を買うのと何が違うの?」
このような疑問を持つ方も少なくありません。
結論から言うと、簡易デカフェ法にはカフェインを減らす効果が期待できます。ただし、完全なデカフェ(カフェインゼロ)になるわけではなく、香りや味わいにも変化が生じます。
この記事では紅茶工場の視点から、
- 簡易デカフェ法の仕組み
- 本当にカフェインは減るのか
- 市販のデカフェ紅茶との違い
- 美味しく淹れるコツ
を、できるだけわかりやすく解説します。
カフェインを少し控えながら、紅茶を美味しく楽しみたい方はぜひ最後までご覧ください。
簡易デカフェ法とは?
簡易デカフェ法とは、一杯目で抽出された紅茶を飲まずに捨て、同じ茶葉でもう一度淹れた二杯目を飲む方法です。
「一杯目を捨てるだけでカフェインが減る」と紹介されることもあり、自宅で手軽にできる方法として知られています。
一般的な手順は次のとおりです。
- 茶葉に熱湯を注ぎ、30秒〜1分ほど抽出する
- 一杯目の紅茶は飲まずに捨てる
- 同じ茶葉にもう一度熱湯を注ぎ、通常どおり蒸らして飲む
この方法は、一杯目で抽出されやすいカフェインをある程度取り除き、二杯目で残った成分を楽しむという考え方です。
ただし、「デカフェ」と名前は付いていますが、市販のデカフェ紅茶のように特殊な製法でカフェインを除去したものではありません。
そのため、簡易デカフェ法は「カフェインを減らす方法」であり、「カフェインを完全になくす方法」ではないことを理解しておきましょう。
次の章では、なぜ一杯目でカフェインが多く抽出されるのか、その仕組みを紅茶工場の視点から詳しく解説します。
なぜ簡易デカフェ法でカフェインが減るの?
簡易デカフェ法でカフェインを減らせる理由は、カフェインがお湯に溶け出しやすい成分だからです。
紅茶の茶葉には、カフェイン以外にも香り成分やうま味成分、タンニン(渋み成分)、ポリフェノールなど、さまざまな成分が含まれています。
これらの成分はすべて同じスピードで抽出されるわけではなく、成分ごとに抽出されやすさが異なります。
カフェインは比較的早い段階で熱湯に溶け出すため、一煎目で多く抽出されます。
そのため、一煎目を飲まずに捨てることで、二煎目に含まれるカフェイン量をある程度減らすことができると考えられています。
一方で、香りやうま味の成分も一煎目で多く抽出されるため、二煎目は一煎目よりも香りやコクがやや控えめになります。
簡易デカフェ法は、「カフェインだけを取り除く方法」ではなく、一煎目で抽出されるさまざまな成分を利用した方法と言えるでしょう。
一煎目と二煎目では、抽出される成分が変わる
一般的には、成分の抽出量は次のようなイメージになります。
| 成分 | 一煎目 | 二煎目 |
|---|---|---|
| カフェイン | 約70〜80%抽出 | 約20〜30%程度残る |
| 香り成分 | 多く抽出される | 少なくなる |
| うま味成分 | 多く抽出される | 少なくなる |
| タンニン・ポリフェノール | 一部が残り、二煎目でも抽出される | 引き続き抽出される |
※抽出量は茶葉の種類や茶葉の量、お湯の温度、抽出時間などによって変わります。
この表を見るとわかるように、二煎目でもカフェインは残っています。
つまり、簡易デカフェ法は「カフェインを少なくする方法」であり、「カフェインをゼロにする方法」ではありません。
完全にカフェインを除去したい場合は、市販のデカフェ紅茶など、専用の製法でカフェインを取り除いた商品を選ぶ必要があります。
では、実際に簡易デカフェ法ではどのくらいカフェインを減らせるのでしょうか。
私たちの工場でも、品質確認(カッピング)では一煎目の香りや味わいを重視して評価しています。
それほど一煎目には紅茶の個性が詰まっているのです。
次の章では、市販のデカフェ紅茶との違いも交えながら、簡易デカフェ法の効果について詳しく解説します。
市販のデカフェ紅茶との違いは?
簡易デカフェ法は、自宅で手軽にカフェインを減らせる方法ですが、市販のデカフェ紅茶とは目的や製法が大きく異なります。
一番大きな違いは、カフェインの除去率です。
市販のデカフェ紅茶は、製造工程で特殊な方法を用いてカフェインを取り除いています。
一方、簡易デカフェ法は、一煎目で抽出されたカフェインを利用する方法であり、茶葉からカフェインを取り除くわけではありません。
そのため、二つには次のような違いがあります。
| 比較項目 | 簡易デカフェ法 | 市販のデカフェ紅茶 |
|---|---|---|
| カフェイン量 | 一煎目より少なくなる | 大幅に除去されている |
| カフェイン除去率 | 約70〜80%を一煎目で抽出(条件により異なる) | 商品によって異なるが、一般的に90%以上除去されたものが多い |
| 香り・味わい | 一煎目より控えめになる | 商品によって異なる |
| 手軽さ | 自宅ですぐできる | 購入が必要 |
| おすすめな方 | 少しカフェインを控えたい方 | カフェインをできるだけ控えたい方 |
※カフェイン除去率は商品や製法によって異なります。
カフェインをできるだけ避けたいなら、市販のデカフェがおすすめ
「夜でも安心して紅茶を楽しみたい」「できるだけカフェインを控えたい」という方には、市販のデカフェ紅茶がおすすめです。
最近では、香りや味わいにもこだわったデカフェ紅茶が数多く販売されており、以前よりも美味しく楽しめる商品が増えています。
一方で、「少しカフェインを減らせれば十分」「自宅にある紅茶をそのまま楽しみたい」という方であれば、簡易デカフェ法も選択肢の一つになるでしょう。
なお、妊娠中や授乳中など、カフェインの摂取量が気になる方は、簡易デカフェ法だけに頼るのではなく、市販のデカフェ紅茶やカフェイン量の表示も参考にしながら、ご自身に合った商品を選ぶことをおすすめします。
「デカフェ」と表示されている商品でも、製法や商品によっては微量のカフェインが含まれている場合があります。
気になる方は、商品パッケージやメーカーの表示も確認すると安心です。
簡易デカフェ法でも美味しく飲むコツ
簡易デカフェ法では、一煎目でカフェインだけでなく香りやうま味も一緒に抽出されるため、二煎目は一煎目よりも味わいが控えめになります。
しかし、淹れ方を少し工夫するだけで、二煎目でも美味しく楽しむことができます。
熱湯を使う
二煎目を淹れる際は、沸騰したてのお湯(約100℃)を使うのがおすすめです。
一煎目で抽出されなかった成分をしっかり引き出すことができるため、味や香りを感じやすくなります。
お湯の温度が低すぎると、せっかく残っている香りやうま味も十分に抽出されず、物足りない味わいになってしまうことがあります。
蒸らし時間を少し長めにする
一煎目と同じ時間では、味がやや薄く感じることがあります。
そのため、二煎目は30秒〜1分ほど長めに蒸らすと、茶葉に残った成分が抽出されやすくなります。
ただし、長く蒸らしすぎると渋みが強く出る場合もあるため、お好みに合わせて調整してみてください。
茶葉を絞らない
ティーバッグや茶こしを取り出す際に、ぎゅっと絞る方もいますが、これはあまりおすすめできません。
無理に絞ることで渋みが強く出たり、雑味を感じやすくなったりすることがあります。
最後の一滴まで絞るのではなく、自然にお湯を切る程度にすると、バランスのよい味わいになります。
茶葉の大きさによっても味わいは変わる
二煎目の味わいは、淹れ方だけでなく茶葉の大きさによっても変わります。
一般的に、大きめの茶葉は一煎目で成分が一度に出切らないため、二煎目でも香りや味わいを楽しみやすい傾向があります。
一方、小さく砕かれた茶葉は一煎目で多くの成分が抽出されやすいため、二煎目では味が薄く感じられることがあります。
もちろん、これは茶葉の種類や製法によっても異なりますが、二煎目まで楽しみたい方は、リーフティーを選ぶのも一つの方法です。
茶葉サイズによる味わいの違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▶ PEKOE・BOP・Dとは?紅茶工場が教える茶葉サイズによる違いと選び方

簡易デカフェ法に向いている紅茶とは?
実は、簡易デカフェ法の美味しさはどの紅茶を選ぶかによっても変わります。
二煎目は一煎目よりも香りやうま味が少なくなるため、もともと香りが豊かで、二煎目でも味わいが残りやすい茶葉を選ぶことが大切です。
リーフティーは二煎目も楽しみやすい
一般的に、リーフティーはティーバッグに使われる細かい茶葉よりも粒が大きく、一煎目で成分がすべて抽出されるわけではありません。
そのため、二煎目でも香りや味わいを感じやすく、簡易デカフェ法との相性が良いと言われています。
もちろん、茶葉の種類や製法によって違いはありますが、二煎目まで楽しみたい方にはリーフティーがおすすめです。

キャンディ産PEKOEはバランスの良い味わい
私たちが取り扱っているスリランカ・キャンディ産のPEKOEは、香り・渋み・コクのバランスが良く、ストレートティーとしても人気のある茶葉です。
一煎目では華やかな香りとやさしい味わいを楽しめ、二煎目では軽やかな飲み口へと変化します。
「カフェインを少し控えながら、紅茶本来の風味も楽しみたい」
そんな方にもおすすめできる茶葉です。
もちろん、簡易デカフェ法では一煎目より香りや味わいは穏やかになりますが、淹れ方を工夫することで二煎目も十分美味しく楽しめます。
▶ PIKOK セイロン紅茶 PEKOEはこちら(Amazon商品ページ)

なお、「カフェインをできるだけ避けたい」という方には、前の章で紹介した市販のデカフェ紅茶の方が適しています。
目的に合わせて、簡易デカフェ法と市販のデカフェ紅茶を使い分けるのがおすすめです。
簡易デカフェ法はこんな方におすすめ
簡易デカフェ法は、すべての人に向いている方法ではありません。
「カフェインをどの程度控えたいのか」によって、最適な選択肢は変わります。
簡易デカフェ法がおすすめな方
次のような方には、簡易デカフェ法が向いています。
- 夜でも少しカフェインを控えて紅茶を楽しみたい方
- 普段飲んでいる紅茶をそのまま活用したい方
- 新たにデカフェ紅茶を購入する前に試してみたい方
- 少しでもカフェイン摂取量を減らしたい方
特別な道具や材料は必要なく、自宅ですぐに試せるのが簡易デカフェ法の大きな魅力です。
市販のデカフェ紅茶がおすすめな方
一方で、次のような方には、市販のデカフェ紅茶の方がおすすめです。
- カフェインをできるだけ控えたい方
- 妊娠中・授乳中などでカフェイン量が特に気になる方
- 就寝前に安心して紅茶を楽しみたい方
- 毎日デカフェ紅茶を飲む習慣がある方
市販のデカフェ紅茶は、製造工程でカフェインを大幅に除去しているため、簡易デカフェ法よりもカフェインを抑えることができます。
目的に合わせて選ぶことが大切
簡易デカフェ法と市販のデカフェ紅茶は、どちらが優れているというものではありません。
例えば、
- 少しだけカフェインを減らしたいなら簡易デカフェ法
- できるだけカフェインを控えたいなら市販のデカフェ紅茶
▶ カフェインをできるだけ控えたい方におすすめのデカフェ紅茶はこちら
というように、目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。
「紅茶を楽しみたい」という気持ちを大切にしながら、自分のライフスタイルに合った方法を選んでみてください。
まとめ
簡易デカフェ法は、一杯目で多く抽出されるカフェインを利用し、二杯目でカフェイン量をある程度抑えながら紅茶を楽しむ方法です。
自宅で簡単に試せるため、「少しだけカフェインを控えたい」という方には便利な方法と言えるでしょう。
一方で、一煎目では香りやうま味も一緒に抽出されるため、二煎目は一煎目よりも風味が穏やかになります。
また、簡易デカフェ法はカフェインを完全に除去する方法ではありません。
できるだけカフェインを控えたい方は、市販のデカフェ紅茶を選ぶことも検討するとよいでしょう。
「少しカフェインを減らしたい」のか、「できるだけカフェインを避けたい」のか。
目的に合わせて紅茶を選ぶことで、ライフスタイルに合わせた楽しみ方ができます。
また、簡易デカフェ法を試す場合は、香りが残りやすいリーフティーを選ぶことで、二煎目もより美味しく楽しめます。
毎日のティータイムを無理なく続けるために、ご自身に合った方法を見つけてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 簡易デカフェ法は本当にカフェインを減らせますか?
はい。一般的には、一煎目でカフェインの多くが抽出されるため、一煎目を捨てて二煎目を飲むことで、カフェイン量をある程度減らせると考えられています。
ただし、茶葉の種類や抽出時間、お湯の温度などによって抽出量は変わるため、すべての紅茶で同じ結果になるわけではありません。
Q. 簡易デカフェ法ならカフェインはゼロになりますか?
いいえ。
簡易デカフェ法はカフェインを減らす方法であり、完全に除去する方法ではありません。
カフェインをできるだけ控えたい場合は、市販のデカフェ紅茶を選ぶのがおすすめです。
Q. 一杯目は何秒くらい抽出すればいいですか?
目安としては、30秒〜1分程度の抽出が一般的です。
長く抽出しすぎると、カフェインだけでなく香りやうま味も多く失われるため、短時間で抽出するのがおすすめです。
Q. ティーバッグでも簡易デカフェ法はできますか?
はい、ティーバッグでも可能です。
ただし、ティーバッグは細かい茶葉を使用している商品が多いため、二煎目では味や香りが物足りなく感じる場合があります。
Q. リーフティーの方が二煎目も美味しいですか?
一般的には、リーフティーは茶葉が大きいため、一煎目で成分が一度に出切らず、二煎目でも香りや味わいを楽しみやすい傾向があります。
ただし、茶葉の種類や製法によっても味わいは異なります。
Q. 妊娠中や授乳中でも簡易デカフェ法なら安心ですか?
簡易デカフェ法ではカフェイン量を減らすことは期待できますが、完全にカフェインを除去できるわけではありません。
妊娠中や授乳中など、カフェインの摂取量が気になる方は、医師や医療機関の案内、商品表示なども参考にしながら、ご自身に合った飲み方を選ぶことをおすすめします。
Q. 簡易デカフェ法はどんな紅茶でもできますか?
基本的にはどの紅茶でも試すことはできます。
ただし、茶葉の大きさや製法によって二煎目の味わいは異なります。
香りや風味も楽しみたい方は、リーフティーで試してみるのがおすすめです。
Q. 二煎目についてもっと詳しく知りたいです。
二煎目ではどのように味や香りが変化するのか、何煎目まで美味しく飲めるのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 紅茶は何回まで飲める?二煎目・三煎目は美味しい?紅茶工場が解説
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この記事の監修
BlenteaLab.(VALUE SALES JAPAN株式会社)
スリランカのグループ会社(工場・茶園運営:VALUE PLANTATION Co.Ltd,)から高品質な茶葉を直接輸入・卸販売する紅茶専門店。
農園での栽培・製茶から日本国内での販売まで一貫して携わる「現場の知識」をベースに、紅茶やハーブの正しく美味しい楽しみ方を発信しています。