紅茶のグレードとは?品質との違いを紅茶工場が解説

紅茶のグレードとは?品質との違いを紅茶工場が解説

紅茶のグレードとは、茶葉の大きさや形状を表す分類です。

「OP」「BOP」「PEKOE」「Dust」など、紅茶のパッケージに書かれているアルファベットを見たことはありませんか?

「高級な紅茶なのかな?」
「グレードが高いほど美味しいの?」

このように思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

実は、紅茶のグレード(Grade)は、品質の良し悪しを表すものではありません。

グレードとは、主に茶葉の大きさや形状による分類のことです。

茶葉のサイズによって、お湯への成分の出方や香り、向いている飲み方が変わるため、紅茶工場では製茶後に細かく選別されています。

私たちのスリランカの自社農園・工場でも、1枚の茶葉から20種類以上のグレードへ丁寧に分類し、それぞれ用途に合わせて出荷しています。

この記事では、紅茶のグレードの意味や種類、品質との違い、自社工場で実際に作られているグレードまで、紅茶工場ならではの視点でわかりやすく解説します。


この記事で分かること

  • ✔ 紅茶のグレードとは何か
  • ✔ グレードと品質の違い
  • ✔ OP・BOP・PEKOE・Dustなどの意味
  • ✔ 茶葉サイズによる味や抽出の違い
  • ✔ 自社工場ではどんなグレードが作られているのか
  • ✔ 飲み方に合ったグレードの選び方

紅茶のグレードとは?

紅茶のグレード(Grade)とは、茶葉の大きさや形状による分類のことです。

「グレード」という言葉から、「上級」「特級」といった品質のランクをイメージする方も多いかもしれません。

しかし、紅茶のグレードは基本的に品質の優劣を示すものではありません

製茶された茶葉をメッシュ(ふるい)にかけ、大きさごとに選別した結果、それぞれに名前が付けられています。

つまり、同じ畑で収穫された茶葉からでも、

  • OP
  • BOP
  • BOPF
  • Dust

など、さまざまなグレードが生まれます。

では、なぜわざわざ細かく分類するのでしょうか。

それは、茶葉の大きさによって抽出されるスピードや、向いている飲み方が異なるためです。

例えば、大きな茶葉はゆっくりと成分が抽出されるため、香りを楽しむストレートティーに向いています。

一方、細かな茶葉はお湯に触れる面積が広く、短時間で濃い味や水色(すいしょく)が出るため、ミルクティーやティーバッグによく使われます。

つまり、グレードとは「どれが優れているか」を表すものではなく、どのような飲み方に向いているかを知るための目安なのです。

茶葉サイズごとの違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

PEKOE・BOP・Dとは?紅茶工場が教える茶葉サイズによる違いと選び方

主な紅茶のグレード一覧

紅茶のグレードは、茶葉の大きさや形状によって分類されており、大きく分けると4つのグループに分類されます。

同じ紅茶の葉から作られていても、製造工程でふるい(メッシュ)にかけることで、大きさごとに選別されます。そのため、グレードが違っても品質の優劣を表しているわけではありません。

弊社工場では実際にこれだけの紅茶のグレードを製造しています

一般的な紅茶の解説では「OP」や「BOP」など数種類だけ紹介されることが多いですが、実際の工場ではさらに細かく分類されています。

下の図は、弊社スリランカ工場における1か月あたりのグレード別生産割合です。

このように、一つの茶園で収穫された茶葉でも、製茶後のグレーディング(ふるい分け)によって多くのグレードへ分類されます。

グレードは品質を表すものではなく、それぞれ抽出の特徴や用途が異なる茶葉として選別されています。

まずは代表的なグループを見てみましょう。

フルリーフグレードのグループ

フルリーフ(Full Leaf)は、比較的大きな茶葉をそのまま、または大きな形状のまま選別したグレードです。

抽出にはやや時間がかかりますが、茶葉がゆっくり開くことで香りを楽しみやすく、ストレートティーとの相性が良いグループです。

代表的なグレードには次のようなものがあります。

  • OPA(Orange Pekoe A)
  • OP(Orange Pekoe)
  • FOP(Flowery Orange Pekoe)
  • PEKOE(ペコー)

「FOP」は若い芽(チップ)を多く含むグレードとして知られ、ダージリンなどで見かけることもあります。

また、弊社が扱うスリランカ・キャンディ産のPEKOEは、5〜15mmほどの細長い茶葉が特徴で、香りが豊かで渋みが穏やかです。ホットティーはもちろん、クリームダウンしにくいことからアイスティーにも適しています。

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ブロークングレードのグループ

ブロークン(Broken)は、フルリーフよりも細かくカットされた茶葉です。

「砕かれた」と聞くと品質が低いように感じるかもしれませんが、決してそうではありません。

細かくなることでお湯に触れる表面積が増え、短時間でもしっかりと味や香りを抽出できるため、世界中で最も広く使われているグループです。

代表的なグレードは次の通りです。

  • BOP(Broken Orange Pekoe)
  • FBOP(Flowery Broken Orange Pekoe)
  • BOPA(Broken Orange Pekoe A)
  • BOP1(Broken Orange Pekoe 1)

特にBOPは、ストレートティーにもミルクティーにも使いやすく、飲食店やホテルなどでも幅広く採用されています。

また、弊社でもティーバッグ用だけでなく、業務用・家庭用としてBOPグレードを多く取り扱っています。

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ファニングスグレードのグループ

ファニングス(Fannings)は、ブロークングループよりさらに細かい茶葉です。

抽出スピードが速く、短時間でしっかりとした色とコクが出るため、ティーバッグにもよく使用されています。

代表的なグレードには、

  • BOPF(Broken Orange Pekoe Fannings)
  • FBOPF(Flowery Broken Orange Pekoe Fannings)
  • F(FNGS:Fannings)

などがあります。

弊社のスリランカ工場では、FBOPF1AFBOPF1Bといった非常に細かな分類まで行っています。

ダストグレードのグループ

ダスト(Dust)は、紅茶のグレードの中で最も細かい茶葉のグループです。

「粉のような茶葉だから品質が低い」と思われることがありますが、それは大きな誤解です。

ダストは、お湯に触れる表面積が非常に大きいため、短時間で濃い水色(すいしょく)と力強いコクを引き出せるという特徴があります。

そのため、スリランカやインドでは、濃厚なミルクティーやチャイを作る茶葉として広く親しまれています。

代表的なグレードには次のようなものがあります。

  • D(Dust)
  • D1(Dust 1)
  • PD(Pekoe Dust)

ティーバッグにも使用されることがありますが、近年では大量生産を目的として、BOPなどの茶葉を機械で細かく粉砕し、ダストサイズに加工したものも多く流通しています。

しかし、本来のオーソドックス製法によるダストは少し異なります。

弊社のスリランカ工場では、製茶後に茶葉を何段階ものメッシュ(ふるい)にかけて選別しています。

その際、すべてのメッシュを通り抜け、一番最後まで落ちた最も細かな茶葉だけを「D(Dust)」として分類しています。

つまり、意図的に粉砕して作るのではなく、製茶工程の中で自然に生まれたダストだけを集めているのが特徴です。

そのため、弊社工場ではDグレードの生産量は全体の約1%しかありません。

現在では効率化のために、機械で粉砕してダストサイズを作る工場も少なくありませんが、このような昔ながらのオーソドックス製法による自然なダストは、近年では珍しい存在となっています。

▶︎スリランカ・キャンディ産のD(Dust)(Amazonリンク)


CTC製法の茶葉はグレードとは違う?

紅茶を見ていると、「CTC」という表記を目にすることがあります。

「BOPやOPと同じグレードなのかな?」と思われがちですが、実はCTCはグレードではありません。

CTCとは、

  • Crush(押しつぶす)
  • Tear(引き裂く)
  • Curl(丸める)

という製法の頭文字を取った名称です。

オーソドックス製法のように茶葉を自然な形で仕上げるのではなく、専用の機械で細かく加工し、丸い粒状の茶葉に仕上げます。

この製法では、お湯を注ぐと短時間で濃い色とコクが出るため、市販のティーバッグやミルクティー用の茶葉として世界中で広く利用されています。

一方、今回ご紹介しているOPやBOP、Dustなどは、製茶後に茶葉をふるいで選別した「グレード(大きさ・形状の分類)」です。

つまり、

  • CTC = 茶葉を作る「製法」
  • OP・BOP・Dust = 茶葉の「グレード」

という違いがあります。

この2つは混同されやすいですが、まったく異なるものです。

CTC製法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

オーソドックス製法とは?CTC製法との違い
オーソドックス製法とは?CTC製法との違い

紅茶のグレードのアルファベットにはどんな意味がある?

「OP」や「BOP」、「FBOPF」など、紅茶のグレードにはアルファベットが並んでいます。

一見すると暗号のように見えますが、それぞれにきちんと意味があります。

実は、紅茶のグレードは基本となる単語の頭文字を組み合わせて表記されています。

代表的なものを見てみましょう。

記号意味説明
PPekoe(ペコー)基本となる茶葉のグレード
OOrangeオランダ王室に由来するとされる名称で、色を表すものではありません。
BBroken茶葉を細かくカットしたもの
FFlowery新芽(チップ)が多く含まれることを表します。※先頭に付くFはFlowery、末尾に付くFはFanningsを表す場合があります。
GGolden金色の新芽(ゴールデンチップ)を多く含むもの
TTippy芽(チップ)が豊富に含まれるもの
SSpecial / Finest特に品質や仕上がりの良いグレードに付けられることがあります。

例えば、

BOPは、

Broken(砕かれた)+ Orange + Pekoe

という意味になります。

また、

FBOPは、

Flowery Broken Orange Pekoe

となり、「新芽を多く含むBOP」という意味になります。

さらに高級なグレードのダージリンなどでは、

SFTGFOP

(Special Finest Tippy Golden Flowery Orange Pekoe)

という非常に長い名称を見かけることもあります。

このように、アルファベットを理解すると、その茶葉がどのような特徴を持っているのかが分かるようになります。

一方で、同じ表記であっても産地や茶園によって基準が異なる場合もあるため、アルファベットだけで品質を判断することはできません。

グレードはあくまでも茶葉の形状や特徴を表す記号として考えるのがおすすめです。


紅茶のグレード名の後ろにつく「1」とは?

紅茶のグレードを見ると、

  • OP1
  • BOP1
  • D1

など、アルファベットの後ろに「1」が付いているものがあります。

「1」が付いているから一番品質が良いのかな?と思われる方も多いのですが、実は少し意味が異なります。

「1」は、同じグレードの中で、茶葉の形状や粒の揃い方などをさらに細かく分類するための表記として使われることがあります。

ただし、この基準は生産国や茶園、工場によって異なるため、世界共通で統一されたルールではありません。

弊社工場でも、「1」が付くグレードは、茶葉のよじれ方や形状が比較的美しく揃ったものとして分類しています。

例えば、次のような違いがあります。

OP1とOPグレードの違い

どちらもフルリーフグループですが、OP1は茶葉のよじれが細く均一で、見た目が美しく仕上げられています。

一方、OPは標準的なOPグレードで、十分高品質ですが、OP1ほど均一ではありません。

BOP1とBOPグレードの違い

BOP1は、BOPよりも細長く整った形状の茶葉が多く、抽出はやや穏やかです。

一方、BOPは少し細かいため、お湯に触れる面積が広く、味や水色(すいしょく)が比較的早く出る特徴があります。

D1とDグレードの違い

どちらもダストグループですが、D1は粒の大きさが比較的均一で、力強いコクを持ちながらもクリアな抽出液になりやすいグレードです。

Dは粒子の大きさにばらつきがあり、より濃い色や渋みが出やすい特徴があります。

このように、「1」が付くグレードは、同じグループの中でも茶葉の状態をさらに細かく分類したものと考えると分かりやすいでしょう。

なお、「1」の意味や分類方法は工場や産地によって異なるため、購入する際はグレード名だけで品質を判断するのではなく、産地や製法などもあわせて確認することをおすすめします。

一般のお店では細かな茶葉のグレードまで分けて販売されることはほとんどありません

ここまでさまざまなグレードをご紹介しましたが、日本の紅茶専門店や販売店では、BOPとBOP1、OPとOP1のような細かなグレードを分けて販売しているケースはほとんどありません。

実際には、BOPとBOP1をまとめて「BOP」、OPとOP1をまとめて「OP」として扱われることが多く、細かな違いを意識する機会は少ないでしょう。

その理由の一つは、安定した品質と供給量を確保するためです。

工場側でも細かなグレードごとに分けるより、近い特徴を持つグレードを一つにまとめて選別することで、グレーディング工程の効率が向上し、生産コストを抑えながら安定した品質の紅茶を供給しやすくなります。

そのため、私たちが普段飲んでいる紅茶の多くは、複数の近いグレードをバランスよく組み合わせたものが使われています。

工場では細かく分類されていますが、消費者向けの商品では、用途や味わいに合わせてグループ化して販売されるのが一般的です。


紅茶を選ぶときはグレードをどう見ればいい?

ここまでさまざまなグレードをご紹介してきましたが、「結局どれを選べばいいの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

実は、グレードには「これが一番良い」という正解はありません。

大切なのは、飲み方や好みに合わせて選ぶことです。

例えば、香りをゆっくり楽しみたい方には、茶葉が大きめのフルリーフグループがおすすめです。

一方で、短時間でしっかりとした味わいを楽しみたい場合や、ミルクティーを作りたい場合は、BOPやBOPF、Dustなどの細かいグレードが適しています。

また、ティーバッグだから品質が低いということもありません。

ティーバッグには抽出しやすいBOPFやファニングスなどが使われることが多く、それぞれの用途に合わせて選ばれています。

つまり、紅茶のグレードは「品質のランキング」ではなく、どのように楽しむための茶葉なのかを知るための目安と考えると分かりやすいでしょう。

パッケージに書かれている「OP」「BOP」「PEKOE」などの表記を少し意識するだけでも、自分の好みに合った紅茶を選びやすくなります。

紅茶選びに迷ったときは、ぜひグレードにも注目してみてください。

「あなたにおすすめの茶葉のグレード」

飲み方おすすめグレード
ストレートティーOP・PEKOE
アイスティーPEKOEBOP
ミルクティーBOP・BOPF・Dust
ティーバッグBOPF・F・Dust

まとめ

紅茶のグレードとは、品質の優劣ではなく、茶葉の大きさや形状を表す分類です。

茶葉のサイズが違うことで、抽出スピードや香り、味わい、向いている飲み方が変わるため、世界中でグレードによる分類が行われています。

今回ご紹介したポイントをまとめると、次のようになります。

  • グレードは品質ではなく、茶葉の大きさ・形状を表すもの
  • フルリーフ・ブロークン・ファニングス・ダストの4つのグループに分類される
  • OPやBOPなどのアルファベットには、それぞれ意味がある
  • 「1」が付くグレードは、同じグループの中をさらに細かく分類したもの
  • 紅茶は用途や好みに合わせてグレードを選ぶことが大切

グレードを知ることで、パッケージに書かれているアルファベットの意味が分かり、自分に合った紅茶を選びやすくなります。

紅茶を購入する際は、「高級だから」「有名だから」ではなく、どのように飲みたいかという視点でグレードを見てみると、新しい紅茶の楽しみ方が広がるでしょう。


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この記事の監修

BlenteaLab.(VALUE SALES JAPAN株式会社)

スリランカのグループ会社(工場・茶園運営:VALUE PLANTATION Co.Ltd,)から高品質な茶葉を直接輸入・卸販売する紅茶専門店。
農園での栽培・製茶から日本国内での販売まで一貫して携わる「現場の知識」をベースに、紅茶やハーブの正しく美味しい楽しみ方を発信しています。