紅茶におすすめの水とは?水道水・浄水・ミネラルウォーターの違いを解説

紅茶におすすめの水とは?水道水・浄水・ミネラルウォーターの違いを解説

紅茶を淹れるとき、「どんな茶葉を使うか」は気にしていても、「どんな水を使うか」まで意識している方は意外と少ないのではないでしょうか。

「水道水で十分なの?」
「浄水器の水の方がおいしくなる?」
「ミネラルウォーターを使えばもっと本格的な味になる?」

このような疑問を持つ方も多いと思います。

実は、紅茶の約99%は水です。

どんなに品質の良い茶葉を使っても、水の種類や新鮮さによって、香りや水色(すいしょく)、渋み、味わいは大きく変わります。

さらに、紅茶をおいしく淹れるためには、水の種類だけでなく「水に含まれる酸素」も重要なポイントです。

酸素をたっぷり含んだ新鮮な水を使うことで、茶葉がポットの中でゆっくりと上下に動く「ジャンピング」が起こり、紅茶本来の香りや味を引き出しやすくなります。

この記事では、水道水・浄水・ミネラルウォーターの違いを比較しながら、紅茶におすすめの水について紅茶工場の視点でわかりやすく解説します。

毎日の一杯をもっとおいしくしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

紅茶は「水」で味が変わる

「茶葉が同じなら、どんな水を使っても味はあまり変わらない。」

そう思われることがありますが、実際には水の違いによって紅茶の印象は大きく変わります。

特に変化しやすいのは、

  • 香り
  • 水色(すいしょく)
  • 渋み
  • コク
  • 後味

です。

紅茶はとてもシンプルな飲み物だからこそ、水の違いがそのまま味に表れます。

高価なミネラルウォーターを使えば必ずおいしくなるというわけではなく、紅茶には紅茶に適した水があります。

まずは、その理由から見ていきましょう。

紅茶の約99%は水

一杯の紅茶は、茶葉よりも圧倒的に水の割合が多く、完成した紅茶のほとんどは水でできています。

つまり、どれほど品質の良い茶葉を選んでも、水の状態が良くなければ、本来持っている香りや味わいを十分に引き出すことはできません。

反対に、普段飲んでいる紅茶でも、水を見直すだけで香りが豊かになったり、後味がすっきり感じられたりすることがあります。

紅茶をおいしく淹れるためには、「茶葉選び」と同じくらい「水選び」も大切なのです。

おいしい紅茶は新鮮な水から始まる

紅茶に適しているのは、新鮮な水です。

例えば、蛇口から汲みたての水道水は空気をたっぷり含んでいるため、紅茶の抽出に適しています。

一方で、長時間くみ置きした水や、一度沸騰させて冷ました水、長時間保温していたお湯などは、水の中の酸素が少なくなっています。

そのため、茶葉が十分に開きにくくなり、香りや味わいをうまく引き出せないことがあります。

「どんな水を使うか」だけでなく、「どれだけ新鮮な水を使うか」も、おいしい紅茶を淹れるための大切なポイントです。

実は「酸素」が紅茶のおいしさを左右する

紅茶をおいしく淹れるために欠かせないのが、水に含まれる酸素です。

お湯の中に十分な酸素が含まれていると、加熱したときに細かな気泡が生まれ、その気泡が茶葉に付着します。

すると茶葉はポットの中で浮いたり沈んだりを繰り返しながら、ゆっくりと開いていきます。

この現象を「ジャンピング」と呼びます。

ジャンピングが起こることで、お湯が茶葉全体に均一に行き渡り、香り・水色・渋み・コクがバランスよく抽出されます。

反対に、酸素が少ないお湯では茶葉がポットの底に沈んだままになりやすく、十分に開かないため、香りが弱くなったり、渋みだけが強く感じられたりすることがあります。

つまり、おいしい紅茶を淹れるためには、高価な水を選ぶことよりも、新鮮で酸素をたっぷり含んだ水を使うことが重要なのです。


紅茶におすすめなのはどの水?

「紅茶を淹れるなら、水道水・浄水・ミネラルウォーターのどれがいいの?」

これはよくいただく質問です。

結論からお伝えすると、日本で紅茶を楽しむのであれば、新鮮な水道水がおすすめです。

もちろん、浄水器の水やミネラルウォーターでもおいしく淹れることはできますが、それぞれに特徴があります。

ここでは、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

水道水|もっともおすすめ

おすすめ度:★★★★★

「水道水で本当に大丈夫?」と思われるかもしれませんが、日本の水道水は紅茶を淹れるのに適した条件がそろっています。

理由は大きく3つあります。

  • 日本の水道水の多くは軟水である
  • 蛇口から汲みたての水は酸素を多く含んでいる
  • 手軽でコストがかからない

特に、蛇口から勢いよく汲んだばかりの水には空気(酸素)が多く含まれており、茶葉がポットの中でゆっくり上下に動く「ジャンピング」が起こりやすくなります。

その結果、茶葉が均一に開き、香りや水色、味わいをしっかり引き出しやすくなります。

ただし、カルキ臭(塩素臭)が気になる地域では、そのまま使用すると香りに影響することがあります。

その場合は、しっかり沸騰させるか、浄水器を使用するとよいでしょう。

浄水器の水|カルキ臭が気になる方におすすめ

おすすめ度:★★★★☆

水道水のカルキ臭が気になる場合は、浄水器を通した水がおすすめです。

浄水器は塩素やにおいの原因となる成分を取り除いてくれるため、紅茶本来の香りをより楽しみやすくなります。

一方で、注意したいのが「長時間保存した浄水」です。

浄水した水をポットやボトルに入れたまま長時間置いておくと、水に含まれる酸素が少なくなり、ジャンピングが起こりにくくなることがあります。

浄水器を使用する場合も、できるだけ淹れる直前に汲んだ新鮮な水を使うのがおすすめです。

ミネラルウォーター|選ぶなら国産の軟水がおすすめ

おすすめ度:★★★★☆

「ミネラルウォーターなら、もっとおいしい紅茶が淹れられる」と思われることがありますが、必ずしもそうとは限りません。

特に海外産のミネラルウォーターには、ミネラル分を多く含むものがあり、紅茶との相性が変わる場合があります。

一方で、日本の国産ミネラルウォーターの多くは軟水のため、紅茶との相性は良好です。

また、ペットボトルの水は密閉された状態で販売されているため、汲みたての水道水と比べると水に含まれる酸素が少なくなっていることがあります。

使用する際は、軽くボトルを振って空気を含ませてから沸かすと、ジャンピングが起こりやすくなります。

紅茶におすすめの国産軟水ミネラルウォーターはこちら

水道水・浄水・ミネラルウォーターの比較

水の種類特徴おすすめ度
水道水新鮮で酸素を多く含み、日本では軟水が多い★★★★★
浄水カルキ臭を抑えられ、香りを楽しみやすい★★★★☆
ミネラルウォーター国産の軟水がおすすめ。海外産は硬度に注意★★★★☆

どの水でもおいしい紅茶を淹れることはできますが、一番大切なのは「新鮮な水を使うこと」です。

高価な水を選ぶことよりも、汲みたての水をしっかり沸騰させて使う方が、紅茶本来の香りや味わいを引き出しやすくなります。


なぜ酸素が多い水がおいしい紅茶を淹れられるの?

「新鮮な水がおすすめ」と聞くと、「水が新しいだけでそんなに違うの?」と思われるかもしれません。

実は、紅茶のおいしさを左右する大きなポイントの一つが、水に含まれる酸素です。

水の中に十分な酸素が含まれていると、茶葉がきれいに開き、香りや味わいをバランスよく引き出すことができます。

ジャンピングとは?

紅茶をポットで淹れていると、茶葉がポットの中で浮いたり沈んだりしながら、ゆっくりと上下に動くことがあります。

この現象を「ジャンピング」と呼びます。

ジャンピングは、お湯の中に含まれる酸素によって生まれる細かな気泡が、茶葉の表面に付着することで始まります。

気泡が付いた茶葉は浮き上がり、水分を十分に吸うと重くなって沈みます。

そして再び気泡が付き、また浮き上がる――。

この動きを繰り返すことで、茶葉全体にお湯が均一に行き渡り、ゆっくりと開いていきます。

ジャンピングが起こると何が良いの?

ジャンピングが起こることで、茶葉は無理なく自然に開きます。

その結果、

  • 茶葉本来の香りがしっかり引き出される
  • 明るく透明感のある美しい水色(すいしょく)になる
  • 渋みとコクのバランスが良くなる
  • 茶葉の成分が均一に抽出される

など、多くのメリットがあります。

紅茶専門店や紅茶教室で「ジャンピングが大切」と言われるのは、このためです。

酸素が少ないお湯ではどうなる?

反対に、水の中に酸素が少ないと、茶葉はポットの底に沈んだままになりやすくなります。

茶葉が十分に動かないため、開き方にムラができたり、香りが弱く感じられたりすることがあります。

また、抽出のバランスが崩れ、渋みだけが強く出てしまうこともあります。

もちろん、酸素が少ないからといって紅茶が飲めなくなるわけではありません。

しかし、同じ茶葉を使っていても、香りや味わいに違いが生まれることがあります。

おいしい紅茶を淹れるためのポイント

ジャンピングを起こしやすくするためには、特別な道具は必要ありません。

次の3つを意識するだけでも、おいしさが変わります。

  • 蛇口から汲みたての新鮮な水を使う
  • お湯はしっかり沸騰させる
  • 長時間保温したお湯や二度沸かしのお湯はできるだけ避ける

高価なミネラルウォーターを用意するよりも、まずは「新鮮な水」を使うことが、おいしい紅茶への近道です。


おいしい紅茶を淹れるための水の使い方

紅茶に適した水を選んでも、使い方によっては本来のおいしさを十分に引き出せないことがあります。

ここでは、紅茶工場でも意識している「水の使い方」のポイントをご紹介します。

汲みたての新鮮な水を使う

紅茶を淹れるときは、蛇口から汲みたての新鮮な水を使うのがおすすめです。

新鮮な水には酸素が多く含まれているため、茶葉が開きやすくなり、香りや味わいをしっかりと引き出せます。

反対に、長時間くみ置きした水や、一度沸騰させて冷ました水は酸素が少なくなり、ジャンピングが起こりにくくなることがあります。

「昨日の残り湯を使う」「やかんに入れっぱなしの水を使う」といった方法は、できるだけ避けた方がおいしい紅茶に仕上がります。

お湯はしっかり沸騰させる

紅茶を淹れるときは、お湯を十分に沸騰させましょう。

目安は、表面に500円玉くらいの大きな泡がボコボコと立つ状態です。

ここまで沸騰させることで、水道水に含まれるカルキ臭(塩素臭)が抜けやすくなり、紅茶本来の香りを楽しみやすくなります。

ただし、必要以上に長時間沸かし続けるのはおすすめできません。

沸騰を続けることで、水の中に含まれる酸素が少なくなり、ジャンピングが起こりにくくなる場合があります。

十分に沸騰したら、そのまま紅茶を淹れるのがおすすめです。

二度沸かしや長時間保温したお湯はなるべく避ける

一度沸騰させたお湯を再び沸かす「二度沸かし」や、電気ポットなどで長時間保温したお湯は、酸素が少なくなっています。

もちろん、このようなお湯でも紅茶を淹れることはできます。

しかし、汲みたての新鮮な水から沸かしたお湯と比べると、香りや味わいに違いを感じることがあります。

毎日そこまで神経質になる必要はありませんが、「今日はおいしい紅茶を楽しみたい」というときは、新鮮な水から沸かすことをおすすめします。

ミネラルウォーターを使うときのちょっとしたコツ

ミネラルウォーターで紅茶を淹れる場合は、軽くペットボトルを振ってから沸かすのも一つの方法です。

ペットボトルの水は密閉された状態で販売されているため、汲みたての水道水と比べると、水に含まれる酸素が少なくなっていることがあります。

軽く振ることで空気と触れる機会が増え、ジャンピングが起こりやすくなることがあります。

特別な道具や高価な水を用意しなくても、

  • 新鮮な水を使う
  • しっかり沸騰させる
  • 沸かしたらすぐに淹れる

この3つを意識するだけで、紅茶のおいしさはぐっと引き出しやすくなります。


よくある質問

水道水で紅茶を淹れても大丈夫ですか?

はい。日本の水道水はほとんどが軟水のため、紅茶を淹れるのに適しています。

汲みたての新鮮な水を使用し、しっかり沸騰させれば、茶葉本来の香りや味わいを十分に楽しめます。

カルキ臭(塩素臭)が気になる場合は、浄水器を使用するのもおすすめです。

浄水器の水の方がおいしく淹れられますか?

カルキ臭が気になる地域では、浄水器を使用することで紅茶本来の香りを感じやすくなることがあります。

ただし、浄水した水を長時間保存すると酸素が少なくなるため、できるだけ淹れる直前に使用するのがおすすめです。

ミネラルウォーターを使うともっとおいしくなりますか?

必ずしもそうとは限りません。

国産の軟水であれば紅茶との相性は良いですが、高価なミネラルウォーターだからといって、必ずしもおいしくなるわけではありません。

紅茶では、水の種類以上に「新鮮な水を使うこと」が大切です。

紅茶におすすめの国産軟水ミネラルウォーターはこちら

一度沸かしたお湯をもう一度沸かしてもいいですか?

飲むことに問題はありませんが、おいしい紅茶を淹れるのであれば、できるだけ新鮮な水から沸かすことをおすすめします。

一度沸騰させたお湯や長時間保温したお湯は、水に含まれる酸素が少なくなっているためです。

ウォーターサーバーの水でも紅茶は淹れられますか?

はい、淹れられます。

ただし、ウォーターサーバーによって水の種類(軟水・硬水)やミネラル成分が異なります。

紅茶には、比較的ミネラル分の少ない軟水の方が香りや味わいを引き出しやすいとされています。

まとめ

紅茶をおいしく淹れるためには、高価な水を選ぶことよりも、「新鮮な水を使うこと」が何より大切です。

この記事のポイントをまとめると、次の3つです。

  • 汲みたての新鮮な水を使う
  • しっかり沸騰させたら、できるだけ早く茶葉へ注ぐ
  • 水道水・浄水・国産の軟水ミネラルウォーターがおすすめ

特に日本の水道水は軟水が多く、紅茶との相性も良いため、普段飲む紅茶であれば十分おいしく淹れることができます。

毎日飲む一杯だからこそ、少しだけ「水」を意識してみてください。

きっと今まで以上に、紅茶本来の豊かな香りや味わいを楽しめるはずです。

今回は水道水・浄水・ミネラルウォーターの違いをご紹介しましたが、『なぜ硬水と軟水で味が変わるの?』『イギリスではなぜミルクティー文化が発達したの?』と気になる方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

▶︎紅茶は水で味が変わる?硬水・軟水の違いとおすすめの水を紅茶工場が解説

紅茶は水で味が変わる?硬水・軟水の違いとおすすめの水を解説

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この記事の監修

BlenteaLab.(VALUE SALES JAPAN株式会社)

スリランカのグループ会社(工場・茶園運営:VALUE PLANTATION Co.Ltd,)から高品質な茶葉を直接輸入・卸販売する紅茶専門店。
農園での栽培・製茶から日本国内での販売まで一貫して携わる「現場の知識」をベースに、紅茶やハーブの正しく美味しい楽しみ方を発信しています。