
暑い夏は、いつも以上にこまめな水分補給が大切です。
水や麦茶を飲むことが多くなる一方で、
「アイスティーでも水分補給になる?」
「紅茶はカフェインが入っているから、逆に水分が出ていってしまうのでは?」
と疑問に思ったことはないでしょうか。
結論からいうと、紅茶も日常的な水分摂取のひとつとして取り入れることができます。
紅茶にはカフェインが含まれているため利尿作用はありますが、一般的な量の紅茶を飲んだからといって、飲んだ水分以上にすべて排出されてしまうわけではありません。
実際に、健康な成人を対象として紅茶と水を比較した研究でも、通常の範囲で飲む紅茶は水分状態の維持という点で水と大きな違いがみられなかったという報告があります。
ただし、
「紅茶が水分補給になる=真夏の水分補給はすべて紅茶で大丈夫」
という意味ではありません。
特に大量に汗をかく場面では、水分だけでなくナトリウムなども失われるため、状況に応じて水や適切な電解質を含む飲料などと使い分ける必要があります。
この記事では、
・紅茶は本当に水分補給になるのか
・カフェインの利尿作用をどう考えればいいのか
・夏に紅茶を飲むときの注意点
・夏におすすめの紅茶の飲み方
・アイスティーに向いている茶葉
について、紅茶工場の視点からわかりやすく解説します。
紅茶は水分補給になる?
紅茶のほとんどは水分
紅茶は、茶葉にお湯を注いで成分を抽出した飲み物です。
当然ながら、出来上がった紅茶の大部分を占めているのは水です。
そのため、
「紅茶を飲んでも水分補給にはまったくならない」
という考え方は適切ではありません。
日常生活の中で食事と一緒に飲んだり、仕事中にアイスティーを飲んだりすることも、体に水分を取り入れることにつながります。
「カフェインが入っている=水分補給にならない」ではない
紅茶にはカフェインが含まれています。
カフェインには利尿作用があるため、
「紅茶を飲むと尿が増える」
↓
「飲んだ水分が全部出てしまう」
↓
「紅茶は水分補給にならない」
と考えられることがあります。
しかし、この考え方は少し極端です。
カフェインによって尿量が増える可能性はありますが、通常量の紅茶を飲んだ場合に、摂取した水分がすべて相殺されるわけではありません。
特に普段から紅茶やコーヒーなどを飲んでいる人では、カフェインの利尿作用に対する反応が弱くなることも知られています。
つまり、
「カフェインを含むから紅茶は水分補給にならない」
と単純に考える必要はありません。
水や麦茶との違いは?
とはいえ、水分補給という目的だけを考えれば、紅茶と水・麦茶はまったく同じではありません。
代表的な飲み物を比較すると、次のようになります。
| 飲み物 | カフェイン | 糖分 | 日常的な水分補給 |
|---|---|---|---|
| 水 | なし | なし | ◎ |
| 麦茶 | なし | なし | ◎ |
| 無糖の紅茶 | あり | なし | ○ |
| 加糖アイスティー | あり | あり | △ |
| スポーツドリンク | 基本的になし※ | あり | 大量発汗時など状況に応じて |
※商品によって成分は異なります。
水や麦茶はカフェインを含まないため、日常的な水分補給として非常に使いやすい飲み物です。
一方、無糖の紅茶も水分摂取の選択肢になります。
大切なのは、ひとつの飲み物だけに頼るのではなく、そのときの状況に合わせて使い分けることです。
なぜ「紅茶は水分補給にならない」と言われるの?
理由はカフェインの利尿作用
紅茶が水分補給に向かないと思われている大きな理由が、カフェインです。
カフェインを摂取すると腎臓などに作用し、一時的に尿量が増えることがあります。
ただし、その作用は摂取量や普段のカフェイン摂取習慣などによっても異なります。
特に、一度に多量のカフェインを摂取した場合と、普段の生活の中で紅茶を1〜2杯飲む場合を同じように考えるべきではありません。
紅茶1杯に含まれるカフェイン量はどのくらい?
紅茶にもカフェインは含まれていますが、飲み物によって含有量には違いがあります。
また、同じ紅茶でも、
・茶葉の量
・茶葉の種類
・お湯の温度
・抽出時間
などによって実際のカフェイン量は変わります。
「紅茶を何杯まで飲めるか」を単純に杯数だけで考えるのではなく、コーヒーや緑茶など、その日に摂取するほかのカフェイン飲料も含めて考えることが大切です。
▶︎ カフェインって身体に良いの?悪いの?メリット・デメリットと上手な付き合い方を紅茶工場が解説
たくさん飲めば飲むほど良いわけではない
紅茶が水分摂取のひとつになるからといって、
「夏は紅茶を大量に飲めばいい」
ということではありません。
カフェインの影響には個人差があり、摂りすぎると眠りにくくなったり、動悸や落ち着かなさを感じたりする人もいます。
水分補給の基本として水なども取り入れながら、紅茶は「水分を取りながら香りや味も楽しめる飲み物」として上手に取り入れるのがおすすめです。
夏の水分補給を紅茶だけにするのはおすすめしない
大量に汗をかいたときは水分だけでなく電解質も失われる
ここは夏に紅茶を飲むうえで、とても大切なポイントです。
汗を大量にかくと、体から失われるのは水分だけではありません。
ナトリウムなどの電解質も一緒に失われます。
そのため、
・炎天下で長時間過ごしたとき
・スポーツをしたとき
・屋外で仕事をしたとき
・大量に汗をかいたとき
などは、紅茶だけで水分補給を済ませようとするのはおすすめできません。
状況に応じて水分と塩分、経口補水液などを適切に取り入れることが大切です。
「日常の水分補給」と「熱中症対策」は分けて考える
ここを混同しないことが重要です。
たとえば、エアコンの効いた室内でデスクワークをしながら無糖のアイスティーを飲むことと、真夏の炎天下で大量に汗をかいたあとに水分を補給することでは、体が必要としているものが違います。
普段の生活なら、
水
麦茶
無糖アイスティー
などを好みに合わせて飲むことができます。
一方、大量に汗をかく環境では、紅茶だけに頼らず、失われた水分や塩分を適切に補うことを優先してください。
子どもや妊娠中の方はカフェイン量にも注意
紅茶を水分補給として取り入れる場合、年齢や体の状態にも注意が必要です。
特に子どもは大人より体が小さく、カフェインの影響を受けやすいため、大人と同じ感覚で紅茶を何杯も飲ませることはおすすめできません。
また、妊娠中は1日のカフェイン摂取量にも注意が必要です。
このような場合は、水や麦茶、カフェインを含まない飲み物などを中心にし、紅茶は摂取量を考えながら楽しみましょう。
▶︎ 紅茶は妊娠中に飲んでも大丈夫?カフェイン量と飲み方を紅茶工場が解説

▶︎ 紅茶やコーヒーは子どもが飲んでも大丈夫?カフェイン量と何歳から飲めるかを解説

夏に紅茶を飲むなら「無糖アイスティー」がおすすめ
甘い飲み物の代わりにしやすい
夏になると、
ジュース
炭酸飲料
加糖アイスティー
甘いカフェドリンク
などを飲む機会が増える方も多いのではないでしょうか。
もちろん楽しみとして飲む分には問題ありませんが、水分補給のたびに甘い飲み物を選んでいると、知らないうちに糖分の摂取量が増えてしまいます。
そこで選択肢のひとつになるのが、無糖のアイスティーです。
砂糖やシロップを加えなければ、紅茶そのものの香りや味を楽しみながら水分も摂ることができます。
「水だけでは飽きてしまう」
という方にも取り入れやすい飲み方です。
食事にも合わせやすい
無糖アイスティーの良いところは、食事にも合わせやすいことです。
甘さがないため料理の邪魔をしにくく、
昼食と一緒に
仕事中に
午後の休憩に
夕食時に
と、さまざまな場面で楽しめます。
ただし、夕方以降に飲む場合はカフェインによる睡眠への影響も考え、自分の体質や就寝時間に合わせて量を調整してください。
夏は「冷蔵庫にアイスティーを常備する」という楽しみ方も
冬はティーポットで1杯ずつ温かい紅茶を楽しむ方でも、夏は飲み方を変えてみてはいかがでしょうか。
おすすめなのが、
「無糖アイスティーを作って冷蔵庫に用意しておく」
という方法です。
暑い日に冷蔵庫を開ければ、すぐに香りの良いアイスティーを楽しめます。
夏は紅茶を飲む機会が減りやすい季節ですが、ホットティーからアイスティーに変えるだけで、紅茶は夏にも楽しみやすい飲み物になります。
夏のアイスティーにはどんな茶葉が向いている?
渋みが強すぎない茶葉
夏に何度も飲むアイスティーでは、「濃厚さ」だけでなく「飲みやすさ」も重要です。
特に食事中や仕事中に飲むのであれば、渋みが強すぎる紅茶より、すっきりと飲み続けられる紅茶のほうが向いています。
無糖で飲んでもおいしい茶葉を選べば、砂糖を加えなくても満足感のあるアイスティーを作りやすくなります。
冷やしても香りを楽しめる茶葉
紅茶は香りも大きな魅力です。
ところが、飲み物を冷たくすると、温かい状態に比べて香りを感じにくくなることがあります。
そのためアイスティーでは、冷やしても紅茶らしい香りや味わいを楽しめる茶葉を選ぶことがポイントです。
クリームダウンしにくい茶葉
アイスティーを作ったとき、
「透明だった紅茶が白っぽく濁ってしまった」
という経験はないでしょうか。
これは「クリームダウン」と呼ばれる現象です。
紅茶に含まれる成分が冷えることで結びつき、液体が白く濁って見えることがあります。
味に大きな問題があるわけではありませんが、透明感のあるきれいなアイスティーを作りたい場合には、クリームダウンしにくい茶葉を選ぶこともポイントです。
▶︎ なぜアイスティーは白く濁る?クリームダウンの原因と防ぐ方法を紅茶工場が解説

夏にキャンディ産PEKOEがおすすめな理由
渋みが比較的穏やかで飲みやすい
BlenteaLabを運営する私たちの紅茶工場では、スリランカ・キャンディ産のPEKOEを扱っています。
PEKOEは比較的大きな茶葉で、私たちが扱うPEKOEは香りを感じやすく、渋みが比較的穏やかなことが特徴です。
そのため、ストレートのアイスティーとしても飲みやすく、夏に何杯も紅茶を楽しみたい方にもおすすめです。
アイスティーでもクリームダウンしにくい
私たちが扱っているキャンディ産PEKOEは、冷やしたときにクリームダウンしにくいことも特徴のひとつです。
アイスティーは味だけでなく、グラスに注いだときの透明感もおいしさを感じるポイントになります。
特に夏は透明なグラスに氷を入れて飲む機会が増えるため、きれいな水色を保ちやすいことは大きなメリットです。
大容量だから夏の作り置きにも使いやすい
500gの茶葉を見ると、
「家庭で飲むには多いのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、夏に毎日のようにアイスティーを作るのであれば、大容量の茶葉はむしろ使いやすくなります。
1杯ずつ飲むだけでなく、1〜2L程度のアイスティーをまとめて作るようになると、夏は想像以上に茶葉を使います。
家族で飲む方はもちろん、
飲食店
オフィス
サロン
来客用
など、日常的にアイスティーを提供する場合にも大容量は便利です。
「冬に温かい紅茶を1杯飲むための茶葉」ではなく、
「夏の冷蔵庫に無糖アイスティーを常備するための茶葉」
としてPEKOEを使ってみてください。
▶︎ プロも選ぶ夏のアイスティー用茶葉|セイロンティーPEKOEがおすすめな理由

夏のアイスティーを美味しく作る方法
熱湯でしっかり抽出してから冷やす
アイスティーだからといって、最初から冷たい水で作らなければいけないわけではありません。
紅茶らしい香りをしっかり楽しみたい場合は、熱湯で茶葉を抽出してから冷やす方法がおすすめです。
茶葉をきちんと開かせ、紅茶の香りや味を抽出してから冷やすことで、冷たくしても紅茶らしさを感じやすくなります。
氷を使って一気に冷やす
すぐにアイスティーを飲みたい場合は、「オンザロック方式」と呼ばれる、熱湯で濃く抽出した紅茶を氷で一気に冷やす方法があります。
ポイントは、氷が溶けて薄まることをあらかじめ計算しておくことです。
普段と同じ量の茶葉を使い、お湯の量を約半分にして2倍程度の濃さで抽出すると、氷で冷やしたあとも紅茶らしい味わいを保ちやすくなります。
例えば普段150mlのお湯で淹れているなら、同じ量の茶葉に対して75ml前後のお湯で濃く抽出し、氷をたっぷり入れたグラスへ一気に注ぎます。
氷で急速に冷やすことで、香りや味わいを保ちやすく、クリアですっきりとしたアイスティーに仕上げやすくなります。
ただし、アイスティーが白く濁る「クリームダウン」の起こりやすさは、冷やし方だけでなく茶葉の種類や抽出時間、紅茶に含まれる成分などにも左右されます。
透明感のあるアイスティーを作りたい場合は、急冷だけでなく、クリームダウンしにくい茶葉を選ぶこともポイントです。
作ったアイスティーは早めに飲み切る
作り置きできるアイスティーは夏にとても便利ですが、家庭で作った紅茶は長期間保存する飲み物ではありません。
清潔な容器を使用し、作ったあとは常温に長時間置かず、冷蔵庫で保存してください。
保存したアイスティーは、できればその日のうちに飲み切るのがおすすめです。
前日の夜に作った場合でも、翌日中を目安に飲み切りましょう。
特に夏は気温が高く、微生物が増殖しやすい季節です。
「冷蔵庫に入れているから何日でも大丈夫」とは考えず、一度に大量に作りすぎないことも安全に楽しむポイントです。
また、水出し紅茶を作る場合には、熱湯抽出とは異なる衛生上の注意点があります。
▶︎ 水出し紅茶は危険?普通の茶葉で作る前に知っておきたい注意点と安全な作り方

夏に紅茶を飲むときの5つのポイント
最後に、夏の紅茶と水分補給について重要なポイントをまとめます。
1.紅茶も日常の水分摂取のひとつになる
カフェインが含まれているからといって、紅茶を飲んでも水分補給にならないわけではありません。
普段の食事や仕事中などで、無糖紅茶を水分摂取の選択肢として取り入れることはできます。
2.大量に汗をかくときは紅茶だけに頼らない
炎天下や運動などで大量に汗をかいた場合は、水分だけでなく塩分なども失われます。
このような状況では、紅茶だけで済ませず、適切な水分・塩分補給を優先しましょう。
3.水分補給として飲むなら無糖がおすすめ
夏に何杯も飲むのであれば、砂糖やシロップをたくさん加えた紅茶より、無糖のアイスティーがおすすめです。
茶葉そのものがおいしければ、砂糖を入れなくても紅茶の香りや味を楽しめます。
4.カフェインの摂りすぎに注意する
紅茶にはカフェインが含まれています。
紅茶だけでなく、コーヒー、緑茶、烏龍茶、エナジードリンクなどから摂取するカフェインも含め、1日の総摂取量を考えることが大切です。
5.作り置きは衛生面にも注意する
夏はアイスティーを作り置きすると便利ですが、常温で長時間放置するのは避けましょう。
清潔な容器を使い、冷蔵庫で保存して、できるだけ早く飲み切ることをおすすめします。
まとめ|紅茶も夏の水分補給の選択肢。上手に使い分けよう
紅茶にはカフェインが含まれているため、
「紅茶を飲むと利尿作用で水分が全部出てしまう」
と思われることがあります。
しかし、通常の範囲で飲む紅茶まで「水分補給にならない」と考える必要はありません。
普段の食事やデスクワーク、休憩時間などで飲む無糖アイスティーは、夏の日常的な水分摂取の選択肢のひとつになります。
一方で、大量に汗をかく場面や熱中症の危険がある状況では話が別です。
その場合は紅茶だけに頼らず、水分と塩分などを適切に補給してください。
つまり大切なのは、
「紅茶か水か」
の二択ではなく、
「状況に合わせて使い分ける」
ことです。
そして夏に紅茶を楽しむなら、ぜひ無糖のアイスティーを試してみてください。
渋みが強すぎず、冷やしても飲みやすく、クリームダウンしにくい茶葉なら、毎日のアイスティーにも使いやすくなります。
私たちが扱っているスリランカ・キャンディ産PEKOEも、夏のアイスティーにおすすめしている茶葉のひとつです。
「夏は紅茶を飲まない」
ではなく、
「夏だからこそ、冷たい紅茶を楽しむ」。
冷蔵庫に無糖アイスティーを用意して、夏ならではの紅茶の楽しみ方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修
BlenteaLab.(VALUE SALES JAPAN株式会社)
スリランカのグループ会社(工場・茶園運営:VALUE PLANTATION Co.Ltd,)から高品質な茶葉を直接輸入・卸販売する紅茶専門店。
農園での栽培・製茶から日本国内での販売まで一貫して携わる「現場の知識」をベースに、紅茶やハーブの正しく美味しい楽しみ方を発信しています。
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