
「寝る前に温かい紅茶を飲むとホッとする」
「夜のリラックスタイムに紅茶を飲むのが好き」
という方は多いのではないでしょうか。
温かい紅茶は香りも楽しめるため、一日の終わりにゆっくり過ごしたいときにも飲みたくなる飲み物です。
しかし、ここで気になるのが**「カフェイン」**です。
紅茶にはコーヒーほど多くないもののカフェインが含まれているため、
「寝る前に紅茶を飲んだら眠れなくなる?」
「何時間前までなら飲んでも大丈夫?」
「ミルクティーならカフェインは少なくなる?」
「水出し紅茶なら夜でも大丈夫?」
「夜に紅茶を飲みたい場合は何を選べばいい?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
結論からいうと、睡眠への影響が気になる方は、寝る直前に通常の紅茶を飲むことはおすすめしません。
ただし、これは「紅茶は睡眠に悪い飲み物」という意味ではありません。
大切なのは、カフェインを含む紅茶を飲む時間と量を考えることです。
朝や昼には通常の紅茶を楽しみ、夜はデカフェやノンカフェインの飲み物へ切り替えるなど、時間帯によって上手に使い分ければ紅茶を無理にやめる必要はありません。
今回は紅茶を扱う工場の視点から、紅茶に含まれるカフェインと睡眠の関係、何時間前までなら飲みやすいのか、寝る前におすすめの飲み物まで詳しく解説します。
寝る前に紅茶を飲んでも大丈夫?
普通の紅茶にはカフェインが含まれている
まず知っておきたいのが、紅茶はカフェインを含む飲み物だということです。
紅茶の原料となるチャノキ(Camellia sinensis)の葉には、もともとカフェインが含まれています。
そのため、ダージリン、アッサム、セイロンティーなど産地や名称が違っていても、一般的な紅茶にはカフェインが含まれています。
代表的な飲み物を比較すると、カフェイン量の目安は次のようになります。
| 飲み物 | カフェイン量の目安(100mlあたり) |
|---|---|
| コーヒー | 約60mg |
| 紅茶 | 約30mg |
| 煎茶 | 約20mg |
| 烏龍茶 | 約20mg |
| 麦茶 | 0mg |
※茶葉や豆の量、抽出温度、抽出時間、商品などによって実際のカフェイン量は変わります。
たとえば紅茶を150ml飲んだ場合、単純計算ではカフェインは約45mgになります。
コーヒーと比較すると少ないものの、「紅茶だからカフェインを気にしなくてよい」というわけではありません。
特に寝る直前は、少量のカフェインでも睡眠に影響する人がいます。
問題になるのは「眠れるかどうか」だけではない
カフェインについて、
「紅茶を飲んでも自分は普通に眠れるから大丈夫」
と思っている方もいるかもしれません。
しかし、カフェインと睡眠を考えるときには、単純に「眠れる・眠れない」だけで判断しないことも大切です。
カフェインを摂取する時間や量によっては、
・寝付くまでの時間が長くなる
・総睡眠時間が短くなる
・深い睡眠が減る
・夜中に目が覚めやすくなる
など、睡眠の質に影響する可能性があります。
「寝られたから問題ない」とは限らないわけです。
カフェインへの反応には個人差がある
もうひとつ重要なのが、カフェインへの感受性には大きな個人差があることです。
夕食後にコーヒーや紅茶を飲んでも問題なく眠れる人がいる一方、午後に紅茶を1杯飲んだだけでも寝付きが悪くなる人もいます。
普段どのくらいカフェインを摂っているか、年齢、体質などによっても影響は異なります。
また、妊娠中はカフェインの摂取量について通常とは異なる配慮が必要です。
▶︎紅茶は妊娠中に飲んでも大丈夫?カフェイン量と飲み方を紅茶工場が解説

そのため、「○時までなら誰でも絶対に大丈夫」と考えるよりも、自分がカフェインを摂った日の寝付きや翌朝の状態を確認しながら調整することが大切です。
なぜ紅茶のカフェインを摂ると眠れなくなる?
眠気に関係する「アデノシン」とは?
カフェインと睡眠の関係を理解するうえで重要なのが、アデノシンという物質です。
私たちが起きて活動している間、脳内ではアデノシンが徐々に蓄積していきます。
アデノシンが受容体に結合することで神経活動が抑えられ、次第に眠気を感じるようになります。
簡単に表現すると、
朝起きる → 活動する → アデノシンが蓄積する → 夜になると眠くなる
という流れです。
ところが、ここにカフェインが入ってくると状況が変わります。
カフェインはアデノシンの働きを邪魔する
カフェインには、脳内のアデノシン受容体に作用し、アデノシンによる眠気のシグナルを感じにくくする働きがあります。
つまりカフェインを摂ったからといって、身体の疲れそのものがなくなったわけではありません。
「疲れているのに眠気を感じにくい状態」
を作ると考えると分かりやすいでしょう。
これが、コーヒーや紅茶を飲むと頭がすっきりしたり、眠気を感じにくくなったりする理由のひとつです。
朝や仕事中であれば便利な作用ですが、これが寝る直前に起こると、今度は寝付きの邪魔になる可能性があります。
カフェインは睡眠の質にも影響する
夜遅くにカフェインを摂取すると、寝付くまでの時間が長くなるだけでなく、総睡眠時間や深い睡眠などにも影響する可能性があります。
「夜に紅茶を飲むと絶対に眠れない」という意味ではありませんが、睡眠を大切にしたいのであれば、カフェインを摂る時間にも目を向けた方がよいでしょう。
カフェインにはメリットとデメリットの両方があり、大切なのは「カフェイン=悪いもの」と考えるのではなく、上手に付き合うことです。

紅茶は寝る何時間前までなら飲んでもいい?
ひとつの目安は「就寝の6時間ほど前」
睡眠への影響をできるだけ避けたいのであれば、就寝する6時間ほど前からカフェインを控えることをひとつの目安にすると分かりやすいでしょう。
たとえば23時に寝る場合なら、17時頃が就寝6時間前です。
ただし、これは「17時まではいくら飲んでも大丈夫」という意味ではありません。
カフェインへの反応には個人差があるため、カフェインに敏感な方ならさらに早い時間から控えた方がよい場合があります。
23時に寝る人なら何時まで?
23時頃に就寝する人を例にすると、次のように考えると分かりやすくなります。
| 時間帯 | 紅茶の飲み方の目安 |
|---|---|
| 朝〜昼 | 通常の紅茶を楽しみやすい時間帯 |
| 15時頃 | カフェインに敏感な人はこの辺りから注意 |
| 17時頃 | 就寝6時間前。通常の紅茶を控え始めるひとつの目安 |
| 19〜20時以降 | デカフェ・ノンカフェインへの切り替えがおすすめ |
| 就寝前 | ノンカフェイン飲料を中心にする |
普段23時に寝る人で、
「17時に紅茶をやめても寝付きが悪い」
という場合は15時までにするなど、自分に合った時間へ少しずつ前倒ししてみるとよいでしょう。
カフェインの「半減期」を知っておこう
カフェインは飲んですぐに体内から消えるわけではありません。
そこで覚えておきたいのが半減期です。
半減期とは、体内に入った物質の量が半分程度になるまでにかかる時間のこと。
成人におけるカフェインの半減期には個人差がありますが、数時間程度かかります。
仮に半減期を5時間として、100mgのカフェインを摂った場合を単純化すると、
100mg
↓ 5時間後
約50mg
↓ さらに5時間後
約25mg
というイメージです。
午後に飲んだカフェインが、夜になった瞬間にゼロになるわけではないのです。
だからこそ睡眠を大切にするなら、寝る直前だけ紅茶を避けるのではなく、午後から夜にかけて摂取するカフェイン全体を考えることが重要です。
ミルクティーなら寝る前に飲んでも大丈夫?
ミルクを入れてもカフェインはなくならない
「ストレートティーではなくミルクティーなら、寝る前でも大丈夫なのでは?」
と思う方もいるでしょう。
しかし、紅茶に牛乳を加えても、すでに紅茶液へ抽出されたカフェインがなくなるわけではありません。
たとえば150mlの紅茶に牛乳を50ml加えて200mlのミルクティーを作っても、紅茶150mlに含まれていたカフェインそのものが牛乳によって消えるわけではありません。
紅茶液を少なくすればカフェイン摂取量は減らせる
一方で、
紅茶200ml
ではなく、
紅茶50ml+牛乳150ml
のように、飲み物全体に占める紅茶液の量そのものを少なくすれば、1杯あたりのカフェイン摂取量を減らすことはできます。
「牛乳がカフェインを減らす」のではなく、使用する紅茶液が少ないから結果的にカフェイン摂取量が少なくなるということです。
ここは間違えないようにしましょう。
夜ならデカフェ紅茶で作るミルクティーもおすすめ
「夜に温かいミルクティーを楽しみたい」という方なら、通常の紅茶を無理に使う必要はありません。
デカフェ・カフェインレス紅茶を使えば、紅茶らしい香りや味わいを楽しみながら、通常の紅茶よりカフェイン摂取量を抑えられます。
特に寝る前のティータイムを習慣にしている方なら、夜用としてデカフェを用意しておくのもよいでしょう。
水出し紅茶なら夜に飲んでも大丈夫?
水出しでもカフェインはゼロにならない
「熱湯ではなく水で抽出した紅茶ならカフェインは入っていないのでは?」
と思われることがあります。
しかし、水出し紅茶もノンカフェインではありません。
カフェインの抽出量は、抽出温度だけではなく、茶葉の量や抽出時間などさまざまな条件によって変化します。
そのため、
水出し紅茶=カフェインゼロ
とは考えないようにしましょう。
「水出しだから寝る前でも大丈夫」とは限らない
水出し紅茶は暑い季節にも非常に飲みやすい方法ですが、長時間茶葉を浸して抽出することもあります。
低温で抽出したからといって、カフェインについて一切考えなくてよいわけではありません。
寝る直前にカフェインを避けたい場合は、水出し紅茶ではなくデカフェやノンカフェイン飲料を選ぶ方が分かりやすいでしょう。
また、水出し紅茶は作り方や保存方法にも注意が必要です。

寝る前に飲むなら何がおすすめ?
「夜は普通の紅茶を控えた方がいいなら、何を飲めばいいの?」
という方のために、夜のティータイムに取り入れやすい飲み物を紹介します。
デカフェ・カフェインレス紅茶
「紅茶が好きだから夜も紅茶らしい味を楽しみたい」
という方に最も取り入れやすいのが、デカフェ・カフェインレス紅茶です。
通常の紅茶からカフェインを大幅に取り除いているため、夜のカフェイン摂取を抑えたい場合に便利です。
ただし、「デカフェ」「カフェインレス」と「完全なカフェインゼロ」は必ずしも同じ意味ではありません。
商品によって残っているカフェイン量が異なる場合があるため、カフェインに非常に敏感な方は商品表示を確認しましょう。
ルイボスティー
ルイボスティーも夜の飲み物として使いやすい選択肢です。
ルイボスは紅茶と同じ「お茶」という名前で呼ばれていますが、紅茶の原料であるチャノキとは異なる植物です。
もともとカフェインを含まないため、
「夜にも温かいお茶を飲みたいけれど、カフェインは避けたい」
という場合に向いています。
ストレートだけでなく、ミルクを加えて楽しむこともできます。
カモミールティー
夜のリラックスタイムのハーブティーとしてよく知られているのが、カモミールです。
カモミールは通常の紅茶とは違い、チャノキの葉を使用していないハーブティーなので、一般的なカモミールティーにはカフェインが含まれていません。
やさしい香りを楽しみながら、ゆっくり過ごしたい夜にも取り入れやすいでしょう。
ただし、ハーブだから誰にでも無条件に適しているとは限りません。アレルギーや体質、服薬状況などによって注意が必要な場合があります。
麦茶などのノンカフェイン飲料も選択肢
紅茶らしい風味にこだわらないのであれば、麦茶などのノンカフェイン飲料も選択肢になります。
大切なのは、
「夜だから紅茶を我慢する」
ではなく、
朝〜午後は普通の紅茶を楽しみ、夜はデカフェやノンカフェインへ切り替える
という使い分けです。
紅茶好きの方ほど、飲む時間によって種類を使い分けてみると、一日を通してティータイムを楽しみやすくなります。
寝る前の紅茶で気をつけたいこと
カフェインだけでなく「飲む量」にも注意
夜の飲み物で注意したいのはカフェインだけではありません。
たとえノンカフェインの飲み物であっても、寝る直前に大量の水分を摂れば、夜中にトイレへ行きたくなることがあります。
せっかくカフェインを避けても、トイレで何度も起きてしまえば睡眠が中断されてしまいます。
夜のティータイムでは、飲む種類だけでなく量にも気をつけましょう。
砂糖をたくさん入れすぎない
寝る前に甘いミルクティーを飲むのが好きな方もいると思います。
たまに楽しむ程度なら過度に気にする必要はありませんが、毎晩の習慣にするのであれば砂糖やシロップの量にも注意したいところです。
特にダイエット中なら、
無糖のデカフェ紅茶+少量のミルク
などにすると余分な糖分を抑えやすくなります。
熱すぎる飲み物にする必要はない
「寝る前は身体を温めるために熱々のお茶を飲んだ方がいい」
と思うかもしれませんが、無理に熱い状態で飲む必要はありません。
口や喉をやけどするほど熱い飲み物は避け、無理なく飲める温度で香りを楽しみましょう。
カフェインに敏感なら飲む時間を前倒しする
睡眠を守るために重要なのは、一般的な目安だけでなく自分自身の反応を確認することです。
たとえば23時に寝る人が17時までに紅茶をやめても寝付きが悪いのであれば、次は15時までにしてみる。
それでも影響を感じるなら、昼食後からデカフェに切り替えてみる。
このように少しずつ時間を前倒しすると、自分にとっての「カフェインのラストタイム」が分かってきます。
夜は避けたいカフェインも、時間帯によっては上手に活用できる
ここまで読むと、
「カフェインはできるだけ摂らない方がいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、カフェインそのものが悪いわけではありません。
重要なのは摂取する量とタイミングです。
朝〜昼なら紅茶のカフェインを活用できる
カフェインの覚醒作用は、朝や日中であればむしろ活用できます。
仕事や勉強をするとき、昼食後に眠気を感じたときなど、これから活動する時間帯であれば紅茶を楽しむメリットがあります。
つまり、
朝・昼=カフェイン入りの紅茶
夜=デカフェ・ノンカフェイン
と使い分けるのもひとつの方法です。
運動前という使い方もある
カフェインは運動との関係についても研究されている成分です。
運動前に摂取することで運動パフォーマンスなどに影響する可能性があり、夜とはまったく違ったカフェインの使い方ができます。
ただし、夜に運動する場合は注意が必要です。
運動のためにカフェインを摂った結果、就寝時刻になってもカフェインが体内に残ってしまえば、睡眠に影響する可能性があります。
「何のために飲むのか」と「何時に飲むのか」をセットで考えることが大切です。
▶︎紅茶は運動前・運動後どちらがいい?カフェインと運動の関係を紅茶工場が解説

まとめ|寝る前は普通の紅茶よりデカフェ・ノンカフェインを
紅茶にはカフェインが含まれているため、睡眠への影響が気になる場合は寝る直前に通常の紅茶を飲むことはおすすめしません。
今回のポイントをまとめると、
- 普通の紅茶にはカフェインが含まれている
- カフェインは寝付きだけでなく睡眠時間や睡眠の質にも影響する可能性がある
- 睡眠への影響を避けたい場合は就寝6時間ほど前から控えることをひとつの目安にする
- カフェインへの感受性には大きな個人差がある
- ミルクを加えてもカフェインそのものはなくならない
- 水出し紅茶にもカフェインは含まれる
- 夜に紅茶を楽しみたいならデカフェ・カフェインレス紅茶を活用する
- ルイボスティーやカモミールティーなどのノンカフェイン飲料も選択肢になる
- 朝や昼など活動する時間帯ならカフェインの特徴を上手に活用できる
ということになります。
紅茶を楽しむために、カフェインを必要以上に怖がる必要はありません。
大切なのは、
「紅茶を飲むか、飲まないか」ではなく、「いつ、どの紅茶を飲むか」
です。
朝はいつもの紅茶。
午後遅くなったらデカフェ。
寝る前はカフェインを含まないハーブティー。
このように時間帯によって飲み物を使い分ければ、睡眠に配慮しながら一日のティータイムを楽しむことができます。
「夜も温かいお茶を楽しみたい」という方は、寝る前専用のノンカフェインのお茶をひとつ用意しておくのもおすすめです。
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この記事の監修
BlenteaLab.(VALUE SALES JAPAN株式会社)
スリランカのグループ会社(工場・茶園運営:VALUE PLANTATION Co.Ltd,)から高品質な茶葉を直接輸入・卸販売する紅茶専門店。
農園での栽培・製茶から日本国内での販売まで一貫して携わる「現場の知識」をベースに、紅茶やハーブの正しく美味しい楽しみ方を発信しています。





